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メープルシロップについて
秋といえば紅葉、紅葉といえばもみじ(楓 かえで)ですが、今回はそのカエデから作られる甘味料、メープルシロップについてご紹介しましょう。

カナダの国旗は、ご存知のように赤いカエデの葉がデザインされていますが、これは北米地方を原産とするサトウカエデの葉です。サトウカエデは、カナダの東部、五大湖の北にあるオンタリオ州、ケベック州あたりに多く、一面の森になっています。日本の紅葉はおもに山の斜面にあるので、上のほうから順に色づいてきますが、カナダの紅葉は平地の森が多いため、見渡す限りいっせいに紅葉し、とても見事です。カナダ東部の州をめぐる全長約800kmの道を総称してメープル街道と呼ばれており、世界的な紅葉の名所として、秋には多くの観光客に人気があります。寒冷で昼夜の寒暖の差が大きく、また紅葉の時期は乾燥するのが、特に美しい紅葉を生み出すといわれています。

メープルシロップは、そのサトウカエデの樹液から作ります。サトウカエデは落葉樹なので冬の間は葉を落としていますが、春になると葉をつけるために栄養分を樹液として吸い上げ、木全体にいきわたるようにします。そこで3月に幹に小さな穴をあけて、タップ(蛇口)を差しこみ、樹液を集めます。ただし樹液は木の栄養分なので、たくさんとると木が弱ってしまいます。だから取りすぎないことが大切。だいたい10%ぐらいしか取らないそうです。
集めた樹液は無色透明で、ほんのりとした甘みがあります。そしてあまり日持ちがしないので、すぐに煮詰めてシロップを作ります。だいたい40分の1ぐらいの量になるまで煮詰めますが、この過程で琥珀色の美しいシロップになります。さらにメープルシロップを煮詰めてメープルシュガーにしたり、あるいはメープルバターやメープルキャンディ,メープルティーなど、さまざまな製品が作られます。
ケベック州などのメープルの森の中には、シュガーシャック(砂糖小屋)と呼ばれる小さな農家が点在していて、何代にもわたって森を守りながら、メープルシロップを作り続けているのです。

このメープルシロップは、カナダの先住民であるイロクォイ族が発見したといわれており、フランス人の入植者はその作り方を教えてもらい、現在のような名産品になっていったのです。
イロクォイ族にはこんな言い伝えがあるそうです。ある冬、森の中でリスが樹液をなめているのを見つけた子供が、自分もなめてみると甘くておいしいので、白樺の皮のばけつに集めて、家に持って帰ったのです。母親は、てっきり水を汲んできたのだと思って、それを全部料理に使ったところ、その甘さに家族全員が驚き、それ以来その甘い水の採集が始まったというのです。
しかしイロクォイ族は金属鍋を持っていなかったので、煮詰めて樹液を濃縮することがうまくできません。そこで土器にいれた樹液を冬に戸外に放置すると、水分だけが凍る性質を利用して、朝になると氷を取り出すことを繰り返して徐々に濃くし、最後に焼け石を放り込んで、仕上げるという方法で、メープルシロップを作っていたそうです。

メープルシロップのおもな成分は、ショ糖(ブドウ糖と果糖が結合したもの)で、基本的には砂糖と同じです。しかしカリウムやカルシウムをはじめ、さまざまな微量成分を含んでおり、その特有の風味と低めのカロリー(100gあたり257kcal)で、パンケーキなどのお菓子や、肉料理のソースなど、いろいろ使われます。秋には、森いっぱいのカナダの紅葉を想像しながら、メープルシロップを使ったお菓子作りにチャレンジしてみるのも、いいですね。
メープルシロップを使ったレシピ⇒
「メイプルシロップのマドレーヌ」
「バナナホットケーキ」
「じゃがいものプリン」

PR 本場カナダ産のメープルシロップ各種をはじめ、いろいろなシロップがあります。

 

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