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手作りバターを作ってみる |
牛乳には乳脂肪が含まれていて、しぼりたての牛乳を置いておくと、軽い脂肪分が浮いてきて分離します。これがいわゆる生クリームです。さらに生クリームを激しくかき混ぜると固体と液体に分離します。この固体がバターです。今回はバターができるわけと、手作りバターの作り方をご紹介します。
牛乳には3.2%の乳脂肪が含まれ、小さな丸い形をしているので、脂肪球とよばれます。脂肪球のまわりには薄い膜があって水分と脂肪球をうまく結び付けているため、水と油なのに分離せずにうまく混ざりあっています。しかししぼりたての牛乳には比較的大きな脂肪球も含まれるため、置いておくと大きく軽い脂肪球が浮いて分離してくるのです。それを防ぐために、市販の牛乳では脂肪球を1ミクロン以下に砕く処理(ホモジナイズ)を行い、脂肪分が安定して分離しないようにしています。
脂肪分を濃縮して分離させたものが生クリームですが、その中でも脂肪分は脂肪球の形で存在しています。生クリームをホイップすると空気を含んでとろみがでてきますが、これは脂肪球がホイップにより衝突して周りの薄い膜が破れ、脂肪球同士がつながって網目状になっていくためです。この網目の中に細かい空気の泡を抱き込むことで、しっかりと安定したホイップクリームができるわけです。
ところで生クリームを泡立てすぎて、バサバサと荒れた感じになってしまったことはないでしょうか。これは脂肪球が集まりすぎて、網目を通り越して大きな塊になってしまったためです。実はこれがバターのもとなのです。
さらにかき混ぜ続ければ、完全に固体と水分(バターミルク)に分かれてしまいます。これは脂肪球がくっついてしまったためで、バター粒と呼ばれます。こうなるともとの生クリームに戻ることはありません。市販のバターも基本的には同じ原理で作りますが、バター粒ができたあと、冷水でバターミルクを洗い流し、よく練り合わせてできあがりです。加塩バターは、この練り合わせる工程で1〜2%の塩分を加えます。
このほかに、ヨーロッパでよく使われる発酵バターというものがあります。これは生クリームを乳酸発酵させてから作るもので、特有の香りとコクがあって、最近では日本でも使う方が増えてきているようです。
それでは家庭でバターを作る方法をご紹介しましょう。
1.生クリーム200ccと、密閉できる容器(ペットボトルなどがよいです)を準備します。容器は、生クリームを入れても2/3〜3/4ぐらいは空気が入るような大きさのものを選び、よく洗って水分が残らないようにきれいに拭いておきます。
2.容器に生クリームを入れて密封し、よく振ります。空気を含ませるように、激しく振ってください。約10分ほど振ると、固体と水分に分離します。
3.容器から取り出して、スプーンなどで練るとよいでしょう。有塩バターにしたい場合は、2〜4gぐらいの塩をお好みにあわせて混ぜて練ります。
空気がよく含まれていて、とても軽い口当たりのバターができあがります。ちょっと疲れますが、新鮮なバターはなかなかおいしいです。ぜひケーキの材料としても使ってみてください。 |
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