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さつまいもについて
甘い野菜といえば、なんといってもさつまいもでしょう。焼き芋にしてもてんぷらにしても、そのやさしい甘さは、好きな人が多いのではないでしょうか。そんなさつまいもは、やせた土地でも不作の年でもちゃんとできるので、江戸時代には飢饉のたびに多くの農民を飢えから救ったのです。今回は庶民の味方さつまいもについてご紹介します。

さつまいもの原産は、メキシコからグアテマラの中米地域です。紀元前3000年より前から栽培されており、紀元前2000年ごろには南アメリカに伝わりました。15世紀終わりに、コロンブスがスペインに持ち帰り、その後スペイン人やポルトガル人によって、世界に広まったと言われています。また最近では、南米からパプアニューギニアをへて、アジア各国に広まったともいわれます。

さつまいもが日本に入ってきたのは、16世紀のおわりから17世紀はじめごろで、中国から琉球(今の沖縄)、そして薩摩(今の鹿児島)、その後徐々に東に広がっていきました。そのため、琉球では「唐いも」、薩摩では「琉球いも」、そして他の地域では「薩摩いも」と、いずれも伝えられた元の地名をとって呼ばれました。いまではさつまいもで日本中統一されていますね。

このさつまいもを広めた人物として有名なのが、江戸時代の蘭学者であった青木昆陽です。1732年に中国、四国地方をおそった享保の飢饉ではたくさんの餓死者がでたのですが、さつまいもの栽培をしていた地域ではそれを防ぐことができたのを聞いて、幕府にさつまいもの利点を説いたのです。そのために、1735年幕府から小石川薬草園に土地を与えられ、薩摩から取り寄せた種いもを使って栽培を始めて、その年の秋には試作に成功しました。
さっそくその成果を各地に伝え、千葉や茨城などの関東地方を中心に、ひろく栽培されるようになります。その後、時には米の代用として、不作の年や戦後の混乱期など食糧事情が悪い時の、日本人の食に大きく寄与することになったのです。

そんなさつまいもですが、分類上はヒルガオ科に属していて、熱帯地方ではアサガオに似た釣鐘型の花を咲かせます(残念ながら日本のような温帯では、ほとんど咲くことはないそうです)。そしてやはりアサガオのようなツルを伸ばし、根の一部が大きくなっていもになります。
種類はとても多くて、さまざまな形や色のいもがあります。普通は皮の表面が紫色や紅色で、中が黄白色のものが多いですが、じゃがいものように丸くて皮が黄白色のものや、中が紅色のものもあります。

成分は炭水化物が約30%で、その大部分がでんぷんです。食物繊維が多く、便秘にきくことはご存知ですね。またビタミンCが加熱しても壊れにくいという特徴があり、カリウムやカロチンが多いことも含めて、アルカリ性健康食品として人気があります。
なお糖分は1〜3%であまり多くないのですが、強いベータアミラーゼを含み、加熱することによってでんぷんを麦芽糖に変えるので、調理するととても甘くなるのです。ちなみに電子レンジでは急速に加熱されるためベータアミラーゼが効かず、あまり甘くなりません。さつまいもの料理は、火を使ってじっくりとしてください。
またさつまいもは熱帯地方原産ということもあり、保存の適温は13〜14℃ぐらいです。あまり温度をさげると逆に腐りやすくなるので、くれぐれも冷蔵庫には入れないようにしましょう。

 

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