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ナッツについて |
クリやクルミなどの木の実は、やはり秋の味覚というイメージですね。そこで今回はナッツについて、ご紹介します。
植物の葉で作られたり、根から吸収された栄養分は、大事な子孫を残すために種の中の貯蔵庫に蓄えられます。その大きく発達した部分を食用にするのが、ナッツとよばれているものです。食べるのは仁とよばれる部分で、子葉となるための胚と、胚の栄養分である胚乳からなります。
ナッツには、その成分から大きく分けて、でんぷんが主となるものと、脂肪やたんぱく質が多いものがあります。でんぷんが多いのは、クリ,ギンナン,ハスの実,ヒシの実などで、ゆでたり焼いたり炒めたりして食べます。今では単独で食べるよりも、料理の素材として使うことが多いのですが、昔は穀物の不足を補うために主食として食べられていたこともありました。
縄文時代の遺跡からは、クリやドングリなどが穴に貯蔵された状態で多く見つかります。ドングリは今ではあまり食べませんが、アク抜きの技術ができて、ずいぶんと食用として利用されたようです。
脂肪が多いものは、アーモンド,クルミ,ピーナッツ,カシューナッツなどがあります。特徴としては、でんぷんが多いナッツに比べて風味が濃厚で、乾燥したものをそのまま食べられることがあげられます。
さらに火を通すと、脂肪分に含まれる物質が加熱分解して芳香成分となるため、とても香ばしい香りを発するようになります。そのため、ローストして塩や砂糖,香辛料などで味付けをして、おつまみやおやつとして親しまれています。
またこれらの香りは、料理やお菓子の香り付けにも利用されています。たとえば肉料理の臭みを消すために、衣にアーモンドの粉末やスライスを混ぜて使ったり、お菓子にアーモンドやクルミのエッセンスを使ったりします。またサラダや和え物にも、アーモンドやピーナッツを使うことがあります。
ナッツは種の栄養となる部分なので、栄養分が高濃度で蓄えられており、高エネルギー食品です。脂肪分が多いものは、良質な必須脂肪酸(リノール酸,リノレン酸,オレイン酸)を多く含んでおり、また抗酸化物質も含むため、油としてとるよりもナッツとして食べたほうが、体内で有害な過酸化脂肪酸を作りにくいという特徴もあります。
堅いので子供のころから親しむと、歯や歯ぐきをきたえることにもなりますが、高エネルギーであることと、塩味のものは塩分が多いものもあるので、食べすぎには気をつけましょう。
次回はいろいろな種類のナッツについて、それぞれご紹介します。 |
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