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お餅に関する雑学 |
お餅といえば、今はお正月にだけ食べる人が多いと思います。しかし20〜30年ぐらい前までは、田舎では雨が降ってうれしかったらお餅、お祭りにお餅、おめでたいときにお餅、仏事にお餅と、すぐにお餅をついて食べました。
ご存知のようにもち米を蒸して、臼にとって杵でつくとお餅になります。(もち米を蒸したものをおにぎりにすると、これはまたすごくおいしい!お醤油をかけるとお嫁に行くとき雨がふるとか・・・。でもお醤油をかけずにはいられないおいしさです。一度試してみてください。)
おいしいお餅とは、まずもち米のおいしさで決まりますが、次が蒸すときの火力です。今でも薪でないとうまく蒸せないという餅屋や和菓子屋がけっこうあります。
もち米をつくことによって徐々にお餅になっていきますが、ついているうちに温度が下がってきます。そうするともち米の芯が固くなり砕けにくくなります。つまりもち米の外側がお餅になり、内側がもち米のまま残るのです。この状態が焼いたりしておいしいお餅なのです。
これを完全についてしまうと(つまりもち米の芯まで砕いてしまう)、こしがないお餅になってしまいますが、それが必要なお菓子もあります。よく田舎などであんころ餅やぼた餅を朝作ると、夕方には固くなりかみ切るのも大変、しかもお餅もおいしくなくなっているということはありませんか。でも和菓子屋さんやだんごやさんなどのあんころ餅,ぼた餅はそうなりません。次の日も少し固くなるぐらいで、おいしく食べられます。それはお餅を完全についてしまっているからです。
ではどうやって完全にお餅をつくのでしょうか。それは一度つくだけではだめです。臼の中で一定の温度まで下がると、もち米はもう砕けません。そこでいったん冷ましてまた蒸し、もう一度臼にとって杵でつくのです。この二度目でほとんどもち米は完全に砕けるので、硬化を遅らせることができます。別に添加物を使用しているわけではないのです。
昔餅屋はすぐ固くなってしまい売れなくなるあんころ餅を、餅屋の秘伝で固くならない製品としたのです。「餅は餅屋」という言葉がありますが、なるほどうなずけますよね。 |
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