パセリ セージ ローズマリー&タイム |
1960年代後半のアメリカを代表するフォークデュオ サイモン&ガーファンクル。40代以上ならご存知の方も多いのではないでしょうか。彼らの代表曲は数多くありますが、映画「卒業」の中でも使われていた「スカボローフェア」は、二人のコーラスが美しい印象的な曲です。その曲の一節に、「Parsley
sage rosemary and thyme」というフレーズが何度もでてくるのですが、これらはみな春から夏にかけてよく使われる代表的なハーブです。どういう意味なのか、不思議ですよね。そこで、ちょっと調べてみました。それぞれのハーブの特徴とともに、ご紹介します。
「スカボローフェア」という曲は、彼らのオリジナルではなく、アイルランドの歌手が作った元歌があります。しかし歌詞の主な部分は、実はイギリスの伝承童謡マザー・グースの中のある唄からとられているのです。
マザー・グースというのは、イギリスに昔から伝わる童謡の総称で、800以上あるといわれています。童謡といっても、必ずしも曲がついているわけではなく、話しながら同じリズムの繰り返しや韻を楽しむもが多いようです。そしてその内容は一種不思議な魅力があります。ちょうど日本の「とおりゃんせ」や「かごめかごめ」のように、意味はよくわからないけど、なんか不思議な感じがするというものから、思わず笑ってしまうものなど、庶民の生活の中で自然に生まれてきた唄です。
「ロンドン・ブリッジ」や「メリーさんのひつじ」などは、日本でも有名ですね。実は知られているよりも、はるかに長かったり深い意味があったりするようですが。
マザー・グースの中で、"Can you make me a cambric shirt"で始まる唄に、「パセリ
セージ ローズマリー&タイム」というフレーズがでてきます。最初はこんな感じです。
「ぼくに麻のシャツを作ってくれるかい
パセリ、セージ、ローズマリー&タイム
縫い目や針のあともなく縫えたなら
そうしたら 君はぼくの真の恋人」
8番まであって、最初は男性から女性に、後半は女性から男性にいろいろな難題を投げかけるような内容です。
それにしても、2行目の「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」はやはり意味がよくわかりませんね。これらのハーブは、薬や消毒などにも使われたので、どうも悪夢や悪霊を遠ざけるための、魔よけの呪文として使われていたということのようです。
それでは4つのハーブをかんたんにご紹介しましょう。
●パセリ
古代ギリシアでは戦いの勇者にパセリの冠をささげたというぐらい、古くから使われているハーブです。日本では葉がカールしたカーリーリーフがおなじみですが、カールしていないものもあります。魚や肉料理によく使われますが、特に魚料理と相性がよく、ビタミンCやミネラルが豊富に含まれます。肝臓や腎臓の薬としても使われたとか。
●セージ
風味が強く刺激がある香り高いハーブ。鎮静,鎮痛,強壮,殺菌などさまざまな薬効があり、薬用ハーブの王様とも言われます。頭痛薬や歯を白くするのにも効くとか。肉料理や細かく刻んでパスタソースにも使ったりします。
●ローズマリー
地中海沿岸に自生しているため「海のしずく」という名前がついています。強い香りがあり記憶力をよくするといわれており、思い出の象徴とされています。細胞を活性化させるといわれ、化粧水の原料にもなっています。パンやクッキーに入れると甘さが引き立ちます。
●タイム
勇気と気品,行動力の象徴とされ、中世の貴婦人が騎士のスカーフにタイムを刺繍して贈ったといわれています。チモールという精油を含み、強い刺激のある、すがすがしい香りが特徴です。殺菌,消化促進,強壮などの効果があり、のどの痛みや頭痛にも効きます。野菜や魚料理にもあいますが、特にラムや牛,鶏などをワインでじっくり煮込む料理に最適です。 |
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パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム
サイモン&ガーファンクル
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