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オリゴ糖,トレハロースって砂糖と何が違う? |
前回糖質について、簡単にご紹介しました。そのなかで、単糖類(ブドウ糖がその代表)の分子がいくつか(だいたい2〜10)結びついてできる、少糖類という分類があることを説明しましたが、今回はその少糖類であるオリゴ糖について、ご紹介します。
糖質は、大きく単糖類,少糖類,多糖類に分けられますが、甘味料として利用されるのは、単糖類,少糖類です。中でも少糖類は、砂糖とは異なる有用な特性をもった糖として、特に1980年代後半以降注目されるようになり、食品素材としてさまざまなものが開発,実用化されてきました。これらを総称して、オリゴ糖と呼んでいます。話題のトレハロースも、オリゴ糖の仲間です。
実は代表的な砂糖であるショ糖(スクロース)も、単糖類の分子が2つ結びついた二糖類という少糖類の一種ですが、通常はショ糖を除いた少糖類を、オリゴ糖としています。
その理由としては、オリゴ糖は砂糖に比べて消化吸収がされにくく、いわゆるカロリーが低い甘味料として利用できるほか、いろいろ有用な働きがあることがわかってきたためです。
オリゴ糖にはさまざまな種類がありますが、作り方によってもいくつかに分類することができます。たとえば下記のようなもので、さまざまな研究がされています。
(1)砂糖の構造を酵素で変える:パラチノース,トレハルロース
(2)砂糖にブドウ糖やオリゴ糖を結合させる:カップリングシュガー
(3)砂糖に果糖(フラクトース)を結合させる:フラクトオリゴ糖
(4)果糖と乳糖(ラクトース)を結合させる:乳果オリゴ糖
オリゴ糖には砂糖とは違う、いくつかの特徴があります。一般的に甘味の強さは砂糖には負けますが、砂糖にはない利点も多いので、食品を始め、いろいろなところで利用されるようになってきました。
それらの特徴を、まとめてご紹介しましょう。
・低カロリー
乳果オリゴ糖やフラクトオリゴ糖などの難消化性オリゴ糖と呼ばれるものは、体内でほとんど消化されず、一般の糖質が1gあたり4kcalのエネルギー値であるのに対して、半分の2kcal程度です。また血糖値も上昇させません。
・低う蝕性(むし歯になりにくい)
カップリングシュガーやパラチノースなどは、口の中で酸を生成するもとにはならないので、砂糖とは違ってむし歯の原因にはなりません。
・整腸
フラクトオリゴ糖,乳果オリゴ糖,パラチノースなどは、腸内でビフィズス菌や乳酸菌の栄養となります。
特にビフィズス菌は、腸内の病原菌や悪玉菌の進入や増殖を防ぎ、腸内環境をよくするほか、免疫力向上、ビタミンB群の体内合成促進、便通の改善など、さまざまなはたらきをします。そのため、オリゴ糖をとることは、整腸に役立つのです。
・ミネラル吸収の促進
オリゴ糖は大腸の微生物によって分解され、VFA(揮発性脂肪酸)という物質ができます。これによって腸内のphが酸性になり、吸収されやすい可溶性カルシウムが増えるため、その吸収が進むと考えられています。
これらのオリゴ糖のさまざまな働きは、いろいろな実験で効果が証明されて、一部は特定保健用食品に使われています。
たとえば、フラクトオリゴ糖や乳果オリゴ糖などは、整腸作用が認められて、おなかの調子を整えるための食品として、製品化されています。
またパラチノースは、虫歯になりにくい甘味料として、チョコレートやガムなどに使われています。
このように、さまざまなところで使われているオリゴ糖。なじみのない名前のものも多いですが、健康増進のためにも、どんなところで使われているのか、注目したいですね。
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