おさびし山のホームメードケーキ
メンバー用ページメンバー特典のご紹介
Home ケーキレシピ 過去のコラム 道具専科 カロリー計算 What's New 自己紹介 リンク
過去のコラム
 Home > お菓子の食材 > 香りの柑橘
 
> 季節の話題
> お菓子の文化・歴史
> お菓子の食材
> 簡単レシピ,コツ
> お茶,コーヒー,お酒
> オーブン,その他
 
柑橘系シリーズ 日本の香りの柑橘
柑橘類には、食べて楽しむ甘いみかんなどのほかに、すっぱくてそのままでは食べられないけど、香りや風味を楽しむ香酸柑橘とよばれるものがあることは、以前レモンのときに紹介しました。
今回はその中でも、鍋料理などに欠かせない、日本の香りの柑橘をご紹介します。

香酸柑橘は糖分が少なく、クエン酸などの酸味が強く、芳香に富むのが特長です。代表的なユズは奈良時代の文献にもでてくるほどで、古くから調理や薬に用いられてきました。
他にも、スダチ、カボス、ダイダイ(カブス)などが有名ですが、地方の特産品となっているものも多く、各地で独自の進化をとげてきたことがわかります。
共通していることは、ビタミンCやクエン酸が豊富なことで、特にビタミンCは皮に多く含まれます。どちらも風邪の予防によいといわれており、冬によく使われるのは、ちゃんと理由があるのですね。それでは、おもなものを少し詳しくご紹介しましょう。

・ユズ(柚,柚子)
中国の揚子江上流原産といわれており、朝鮮半島経由で奈良・平安時代に日本に入ってきたと思われます。柑橘類の中では最も寒さに強く、岩手,秋田を北限に広く作られています。
大きさは4〜7cmぐらいの扁球で重さは110gぐらい。11月下旬ぐらいから黄色くなり、11〜1月が収穫時期です。皮がでこぼこしていて固そうですが、果肉はやわらかく果汁が多いのが特長。
果皮はきざんだりすりおろして、お吸い物やいろいろな料理,お菓子に使います。また果汁はしぼって焼き魚や揚げ物にかけたり、果実酢としてポン酢の原料にしたり、幅広く使われます。
冬至にはユズ湯に入る習慣がありますが、ひびやあかぎれを治し、風邪を予防する効果があると、古くから言われています。

・スダチ(酢橘)
ユズの親戚で、徳島の特産品。ちなみに徳島の県花はスダチの花です。原産地は日本の徳島地方で、ユズと同じく寒さに強いのが特長。
30〜40gぐらいの扁球形で、8〜10月に緑色のものを収穫して出荷します。熟すと橙色になりますが、風味は緑色の若いもののほうがよいので、スダチといえば緑色ですね。
マツタケと相性がよく、マツタケの香りを引き立たせるので、焼きマツタケや土瓶蒸しに使われるほか、焼き魚や漬物、鍋料理などに広く使われます。
ちなみにスダチは鳴門の大麻比古神社の神様が大好きなので、神社のある大麻山の見えるところでしかできないという言い伝えがあり、とても限られた地域でしか作られなかったとか。今でもほとんどが徳島産です。

・カボス(香橘)
これもユズの親戚で、大分県臼杵地方原産といわれ、12〜13世紀から作られています。果実は球形で100〜150gぐらい。成熟すると濃い黄色になります。
果肉はやわらかく多汁で、酸味が強く独特のさわやかな芳香があります。8月ごろから緑色のものが、11月ごろからは黄色のものが出回ります。
ビタミンCがミカンよりも多く、風邪や高血圧に効くと、昔はおもに薬用として栽培されていました。現在ではユズと同じように、皮や果汁を使って、鍋料理や鉄板焼き、揚げ物、焼き物、酢の物など広く使われています(特に大分の郷土料理ではよく使われる)。他の柑橘と違って皮に苦味がないので、皮ごと絞ると、さらに風味が増します。

・シークワシャー
沖縄原産で、奄美大島から台湾まで広く自生しています。タチバナの親戚ですが、高温な気候に適応してきました。
直径3〜4cmで重さ20gぐらいととても小さく、11〜12月に熟して黄橙色になります。やわらかくて多汁で、酸味が強いのが特長。夏に収穫される緑色の実は、焼き魚や刺身に添えたりしますが、冬に収穫されるものは熟してまろやかになり、そのまま食べることもできます。
近年果実に含まれるノビレチンという物質が、ガンの増殖をおさえたり、皮膚の老化を防止する働きがあることがわかってきて、注目されています。

 

おさびし山のホームメードケーキ