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やせすぎは体にどんな影響がありますか
極端なダイエットによって、特に若い女性の中にあきらかにやせすぎという人もいます。太りすぎは健康によくありませんが、やせすぎも問題があります。脂肪はエネルギーを蓄える働きのほかに、免疫系や女性の性腺成熟、月経維持などに関与するホルモンであるレプチンを分泌します。また骨粗しょう症の進行を防ぐエストロゲンも生成しており、特に高齢になってからの影響が大きくなります。
女性は思春期になると女性ホルモンの分泌が増え、皮下脂肪が増えて女性特有の体型になります。しかしこの時期に無理なダイエットをすると、十分な体脂肪がつかず、脂肪から分泌されるホルモンのバランスが崩れて、性腺異常を起こす場合があります。女性の性周期を保つためには一定の体脂肪が必要とされており、初潮時には17%、正常な月経周期を維持するためには22%の体脂肪率が必要とされています。
これはスポーツ選手に対する調査でも明らかになっています。スポーツ選手の女性は全体的に初潮の時期が遅く、また長距離走や体操など体脂肪が少なくなる競技の選手ほど、月経異常の割合が多くなっています。これは、体脂肪の少なさに加えて、競技による肉体的,精神的ストレスが影響していると考えられます。
体脂肪と生殖機能の関係は、生殖が可能な環境かどうかを脳が判断するための機能でもあります。妊娠,出産は体にとってとても大きなエネルギーを必要とします。しかし十分な栄養がとれない環境では、母子ともに生命の危険にさらされてしまいます。そのため、一定量の体脂肪がない場合は、生殖に適した環境でないと脳が判断し、生殖のための機能を止めてしまうのです。
体脂肪率を気にして無理な食事制限をしている女性の方もいますが、健康な生活を送り、将来骨粗しょう症のリスクを減らすためにも、正しい食生活を送っていただきたいと思います。
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