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Q&A
なぜリバウンドするのでしょうか

ダイエットがうまくいったり、熱を出して寝込んだりして一時的に体重が減ったとしても、気づくと元に戻っているということがよくあります。これがいわゆるリバウンドですが、なぜ自分が考える理想的な体重を維持することは難しいのでしょうか。

人の体重は、体脂肪量を調節することで、常に一定値(セットポイント)になるように脳によって保たれているというのが、体重のセットポイント説です。これは動物実験によってあきらかになり、のちに人での実験でも証明されて、現在では定説になっています。これによれば、体重のセットポイントはあらかじめ個人ごとに遺伝によって決まっていて、脳は食欲やエネルギー代謝を調整することで体脂肪量をセットポイントに保ちます。このセットポイントは年齢によって変化することがあるものの、基本的には変わらないため、一時的に体重が減っても、またもとに戻ってしまうのです。そしてこのセットポイントと、自分の考える理想的な体重とは、必ずしも一致しないわけです。

実験によると、肥満者でも普通体重の人でも、食事を調節していつもの体重よりも10%増やした場合、それを維持するには通常よりも多いカロリーが必要でした。中にはエネルギー代謝が25%も増えるケースがあり、体が代謝を調整して体重を減らそうとしていることがわかります。逆に体重を10%減らすと、代謝が15%減り、体がエネルギー消費を減らすことで、体重をもとにもどそうとするのです。

この体重を一定に保とうとする働きに関与するのが、脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンです。レプチンは食欲とエネルギー消費の両方を制御することで、体脂肪量を一定に保つ働きをします。たとえば太りすぎのマウスにレプチンを投与すると、食欲を抑えるとともにエネルギー消費を増やし、体脂肪量だけを減少させるという夢のような効果があるのです。しかし残念ながら人間ではうまくいっていません。レプチンは脂肪から分泌されるため、脂肪が多い太っている人にはもともと多くあり、やせている人は少ないのです。これは体内に蓄えられた脂肪が少なくなったときに、そのシグナルを脳に伝えるというのが本来の役割と思われています。生きていくうえでは、体内の脂肪がなくなるほうがはるかに危険なわけですから。