おさびし山のホームメードケーキ
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体によいニンジン
野菜を使ったケーキは、レシピの中でも人気がありますが、特にあざやかなオレンジ色が美しい「にんじんケーキ」は、おいしくて体にもよさそうということで、人気のあるメニューのひとつです。今回はそのもとになるニンジンについてご紹介します。

ニンジンはその葉の形からも想像がつくように、セリ科の植物です。原産はアフガニスタンからトルコを中心とした割と広い地域といわれ、古代はその葉を薬用にしていたようです。そこから西へ伝わったのが現在西洋種といわれるニンジンになり、東に伝わったものが東洋種といわれるものになりました。

ヨーロッパには12世紀ごろに伝わり、最初は紫色や黄色の長いニンジンが主流でしたが、その後オランダでオレンジ色のものが育成され、18世紀以降はオレンジ色で短いものが世界中で作られるようになりました。日本には江戸時代の末にもたらされ、戦後は西洋種のニンジンが主流になっています。

東洋種は13〜14世紀に中国に入り、17世紀までには日本に渡ってきました。1950年代までは日本でもひろく作られていましたが、今では関西で作られる金時ニンジン(京ニンジンあるいは大阪ニンジンともよばれる赤いニンジン)を除いて、ほとんど作られなくなりました。

西洋種のニンジンと一口でいっても、品種改良がされてとても種類が多いのですが、もっとも多いのは五寸ニンジンとよばれる15〜20cmぐらいの長さのもので、形は円錐形をしています。
アクが少なくサラダなどに生でも使えて、収穫量も多いため、さかんに作られています。1年中出回っていますが、冬から春にかけては新ニンジンとして重用されます。おせち料理にも欠かせない材料のひとつですね。

ニンジンの成分といえば、まず名前があがるのがカロチン(carotin)でしょう。これはニンジンの英語名carrotからきたもので、文字通りニンジンを代表する栄養素です。ニンジンの色であるオレンジ色もこのカロチンの色で、赤いリコピンとあわせて鮮やかな色を作っています。
カロチンは体内でビタミンAとなるほか、活性酸素に対する抗酸化機能が高く、生活習慣病の予防にとてもよい食品とされています。ビタミンAは野菜の中でもっとも含む量が多いのですが、油に溶けた状態で体内に吸収されるため、油を使って調理すると、吸収率が高くなります。また食物繊維も多く含み、整腸作用があるため、下痢のときなどはニンジンスープや煮物にして食べるとよいでしょう。

ニンジン(人参)という名前は、形が人に似ているためつけられたのですが、もともとニンジンとは朝鮮人参をさす言葉でした。朝鮮人参とは中国東北部や朝鮮半島に自生しているウコギ科の多年草の根で、古代から霊薬として珍重されてきました。
セリ科のニンジンとはまったく別物で、現にニンジンは中国では西の国の大根という意味の胡蘿蔔(コラフク)とよばれていました。しかし江戸時代の日本で、根の形が朝鮮人参に似ており、また血のような赤い色が薬効を連想させたことから、芹人参(セリニンジン)あるいは菜人参(ナニンジン)とよばれるようになり、やがて単に人参とよばれるようになって、今日に至っているのです。いつのまにか名前を乗っ取って、本家になってしまったというわけです。

ただ、体によい野菜の代表であることは間違いないので、においが苦手という方も、ケーキなどに入れるとか、より香りの強いカレーに使うなど工夫をして、しっかりとりたいですね。

 

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