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卵の基礎知識
鳥の卵は、人類が最初に手に入れた良質のたんぱく質といわれています。それは、狩をしなくても、巣を見つけて親鳥を追い払えば、簡単に手に入れられたから。今回は、付き合いが長く、お菓子作りには欠かせない卵について、ご紹介します。

卵といえば、普通はにわとりの卵をさしますが、うずらやアヒル(おもにピータン)の卵も使われます。日本では、年間約400億個の卵が消費されていて、1人あたりにすると、1年間で約340個。1日に1個弱という感じです。これは、世界でイスラエルについで第2位だとか。卵好きな国民といえますね。

【歴史】
最初は野生の鳥の卵を採っていたと思われますが、安定して手に入れるために、鳥を飼うようになりました。にわとりが選ばれたのは、大きさが手ごろなことと、産卵数が多いことが理由でしょう。
B.C3000年ごろにはインドで飼育されており、世界中に広まっていったと考えられています。日本には縄文時代後期には中国を経由して伝わっていたようで、その後の古墳からは、にわとりの埴輪が多く出土していて、各地で飼われていたことがうかがわれます。
675年に、天武天皇が仏教の教えに従って、獣肉食を禁じた際に、鶏肉や卵も食べられなくなりました。その後も日本では肉食はタブーとされていましたが、室町時代末期にヨーロッパとの交易が始まり、カステラなどの南蛮菓子や南蛮料理が入ってくると、原料である卵も、少しずつ食べられるようになりました。
江戸時代に入ると、徐々に卵料理が広まっていき、1643年に出された料理書「料理物語」には、玉子そうめんやオムレツのような料理も紹介されています。さらに18世紀終わりの天明年間には、町にゆで卵売りがいた記録があったり、卵料理の専門書が出版されるまでになりました。しかしまだ卵は高価で、庶民が気軽に食べられるものではなかったようです。
明治に入ると、卵の増産をめざして、にわとりの品種改良が進められ、家庭でも卵が食べられるようになっていきます。そして高度成長期の1960年代から、養鶏法の進歩などによって卵の大量生産が可能になり、今のように毎日食べられるようになったのです。

【種類】
にわとりの卵は、色によって白玉、赤玉、青玉などと呼ばれていますが、その色の違いは何によるのかご存知ですか?
ヨード卵・光などの印象から、なんとなく赤玉のほうが栄養価が高いような気もしてしまいますが、実は産むにわとりの羽の色によって決まるのです。おそらく大切な卵を外敵から守るために、母鶏の羽毛の色と同じにして、目立たないようにしているのでしょう。
そのため、白色レグホンなどの白いにわとりは白い卵を、茶褐色の赤いにわとりは赤い卵を産みます。以前は白色レグホンが効率よく多くの卵を産むので、売られている卵はほとんど白玉でしたが、最近は品種改良が進んで赤いにわとりもたくさん卵を産むようになったので、赤玉も増えてきました。
白いにわとりと赤いにわとりを交配して、薄赤色のにわとりを作り、その卵(薄赤玉)を「桜たまご」や「ピンクたまご」などと名づけて、売っていたりもします。
しかし殻の色が違っても、中身の栄養素などにはほとんど違いはありません。

希少な卵として、烏骨鶏(ウコッケイ)の卵が有名です。烏骨鶏とは、中国・江西省原産といわれるにわとりで、顔などの皮膚をはじめ、内臓や骨まですべて黒紫色をしているふしぎな鶏です(ちなみに羽は白と黒の2種類ある)。そのため古来から肉や卵は漢方薬の材料として使われてきました。
この烏骨鶏は、週に1,2個しか卵を産まないので、さらに希少価値が上がり、その卵は高価で取引されています。
ただし栄養素的には、普通の卵と大差はありません。

PR たまご好きの方におすすめの、こだわりのたまご。桜たまごもあります。

 

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