柑橘(かんきつ)系の果物として、真っ先に思い浮かぶのは、やはりみかんでしょうか。特にお正月には欠かせない果物といえます。今回はそんなみかんについて、ご紹介します。
みかんやオレンジ、グレープフルーツなど食用のもののほとんどは、カンキツ属に分類され、その中の果皮がむきやすいものを、みかん類(mandarin)と呼びます。その代表は、私たちが日ごろ親しんでいる温州みかんです。
ふるさとは、インドのアッサム地方および東部ヒマラヤ山ろく地帯や中国の揚子江上流あたりと言われています。ここからアジア一帯や、地中海、南米、アメリカにも広がり、今では世界中でさまざまな柑橘類が作られています。
日本にみかんが渡ってきたのは中国からと言われていますが、いつごろ来たのかはわかっていません。室町時代には、貴重な甘味としていろいろな文献に取り上げられています。「蜜柑(みかん)」という字が、その甘さを表していますね。
そのみかんが一躍庶民の間でも人気になったのは、江戸時代のことです。紀伊国屋文左衛門が、大波の中江戸にみかんを運んで大金持ちになったのは、有名な話です。
当時のみかんは、紀州みかん(コミカン、ホンミカンとも呼ばれる)という種類で、少し赤みがかった果肉は、やわらかくて甘味が強く、香りもよく人気がありました。しかし小さくまた種があるということで、明治の中ごろには温州みかんに取って代わられ、今ではほとんど作られていません。
その温州みかんですが、温州という中国の地名がついているように、中国から渡ってきたものが、江戸時代初期に日本で変異してできたものといわれています。その原産地は鹿児島県長島とされ、今でも原木の4代目があります。(⇒日本マンダリンセンター)
温州みかんは紀州みかんに劣らずおいしいのですが、江戸時代の250年の間、九州でしか流通しませんでした。それは温州みかんには種がないので、世継ぎを大切にした武家に嫌われたからだともいわれています。
明治時代中ごろ以降は、寒さに強く日本の気候によくあう温州みかんが、各地で品種改良を重ねながら、作られるようになりました。
2〜5mの常緑樹で、5月ごろに白い花をつけ、10〜12月ごろに実がなります。果実は扁平で100〜150gぐらい。皮がむきやすいのが特徴で、やわらかく果汁が多く、甘味と酸味のバランスがとれています。オレンジなどに比べるとやや淡白な風味も、日本人にあっているのかもしれません。
成分は糖分(ショ糖,果糖)、有機酸(クエン酸,リンゴ酸)、アミノ酸などが多く含まれ、成熟するにつれて、酸が減って糖が増し、甘くなっていきます。
またビタミンCが多く含まれ、生で食べることから、優れた供給源といえます。オレンジ色はカロチノイド系色素で、カロテンが多く含まれ、体内でビタミンAの効力を発揮します。
ケーキではあまり使う機会は多くないかもしれませんが、みかんの蒸しケーキやみかんケーキのレシピもご紹介していますので、ぜひ試してみてください。
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