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オリーブオイルについて(1) |
最近は健康ブームで、あるテレビ番組で体によいと紹介された商品が、あっというまに品切れになってしまうなんていう現象もよく聞きます。最近ここで紹介している植物性油でも、パッケージには体にいいというキーワードは欠かせないですね。
体にいい油のはしりといえば、やはりオリーブオイルでしょう。1970年にアメリカのアンリ・キース博士が食生活と心臓病の関係についての調査結果を発表したときに、地中海沿岸の人々が高脂肪食にもかかわらず心臓疾患のリスクがとても低いことが注目されました。(イタリアとフィンランドでは脂肪摂取量は同等だが心臓疾患での死亡率はイタリアは1/3)
その後の調査で、この地方の人たちがたくさん使うオリーブオイルが、悪玉コルステロールを減らして、脂質の酸化を防ぐことがわかってきたのです。イタリアなどでは「毎朝スプーン1杯のオリーブオイルが健康を作る」ということわざがありますが、それが科学的に証明されたわけです。今回と次回はそのオリーブオイルについて、いろいろご紹介します。
オリーブオイルは、モクセイ科の常緑樹オリーブの実からとれる油です。オリーブの原産はトルコ南部の地中海に面した地域で、トルコからアフリカ東北部の沿岸にかけて自生していました。オイルとはそもそもオリーブを意味するアラビア語で、実を絞るとすぐに油がとれるオリーブは、人類が最初に手に入れた油だったのです。そしてぶどうと並んで、もっとも古くから栽培されている植物でもあります。
6000年前には、クレタ,キプロス,シリアなどでさかんに栽培されており、フェニキア人によって、ギリシア,南フランス,イタリア,南スペインなどにも広く伝えられました。
ローマ帝国の都市で、祭祀,灯火,食用,医薬品(鎮痛作用のある軟膏),化粧品などにひろく使われるようになると、貴族がオリーブ農園を各地に作るようになり、さらに広い地域で大量に生産されるようになりました。
大航海時代にはアメリカや南アメリカに、その後も全世界に広がり、明治時代には日本でも栽培されるようになりました。今でも地中海地方に気候が似ている小豆島周辺で、オリーブオイルが作られています。 |
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