おさびし山のホームメードケーキ
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卵の不思議
ケーキ作りはもちろん、普段の料理でも卵は欠かせません。今回はその卵について、いろいろご紹介します。

卵とは魚や鳥やは虫類が子供を育てるゆりかごのようなものです。親から乳をもらうほ乳類とは違って、自分でえさを食べられるようになるまで、子供は卵の中で成長します。そのため卵の中には、バランスのとれた必要な栄養分が、ぎゅっと詰まっているわけです。
日本では古墳の埴輪に鶏の形をしたものがあるように、古代から身近な動物でしたが、神聖的なものとされたためか、あまり食用とはなりませんでした。でも室町時代にカステラが輸入されてから、その材料として卵が使われるようになり、江戸時代には日常的に利用されていました。卵が今のように大量に消費されるようになったのは、昭和30年代からです。

卵はビタミンCを除く各種栄養素が配合されていて、特に必須アミノ酸のバランスはとてもよいと言われています。また殻が天然の容器となっており、卵白のタンパク質には微生物の繁殖を防ぐはたらきがあるので、生鮮食品にはめずらしく、保存性のよいのも特長です。卵白はほとんどが水とタンパク質で、卵黄は脂質,ミネラル,ビタミン,タンパク質,水などからできています。

卵はさまざまな料理に使われますが、 それは卵のもついろいろな不思議な性質を利用していますその性質についてご紹介しましょう。
●熱凝固性
卵白は60℃〜80℃、卵黄は65℃〜70℃で固まります。この性質を利用したのが、ゆで卵や茶碗蒸,卵とじ,プリンなどです。卵黄のほうが固まり始める温度は高いですが、卵白より低い温度で固まります。これを利用したのが温泉卵で低めの温度に長くつけることで、卵黄の方が固くなります。
●起泡性
かきまぜると泡立つ性質のことで、ケーキやマシュマロなどはこれを利用しています。卵白の泡は粘りが高いほど安定しますが、卵白は新鮮なほど粘りが強いので、ケーキに使う卵は必ず新鮮なものにしましょう。また冷やしたり砂糖を加えると泡が安定するのも特長です。ただし砂糖は水分を吸うので、泡立てる前に加えると、逆に泡立てにくくなります。必ずある程度泡立ててから砂糖を入れましょう。また油分(卵黄を含む)も、泡立てにくくします。
●乳化性
水と油を混ぜる性質のことです。卵黄には油(脂質)と水分が分離せずに含まれています。これはレシチンによるもので、この性質を利用したのがマヨネーズです。

卵はコルステロールを多く含むため、よく悪者にされますが、血中コルステロールの増加を防ぐレシチンが多く含まれるため、あまり神経質になる必要はありません。適切な量であれば、栄養のバランスのとれたすばらしい食品ですので、ぜひいろいろな料理に活用しましょう。
それにしても雑菌を防ぐ仕組みといい、乳化などの性質といい、生命の神秘を感じますね。

 

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