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復活祭とお菓子 |
復活祭とは、キリストが十字架にかけられた2日後に復活したことをお祝いする、キリスト教の行事の中でもとても古くからあるお祭りのひとつです。英語ではイースターですが、フランスではパーク、ドイツではオステルン、イタリアではパスクアと国によって呼び名が違い、それぞれの土地の風習と結びついて行われてきたことが、名前の違いからもわかります。
すでに1世紀ごろから行われていて、日付も場所によって違っていたのですが、325年のニケーア公会議で、「春分のあとの最初の満月の次の日曜日」と定められました。3/22から4/25のどこかで行われるという、日付が決まっていないお祭りです。
復活祭は、場所によってあるいは宗派によって、お祭りの内容もさまざまです。復活祭の前の日曜日からの8日間を聖週間「嘆きの週」とよんで、キリストの受難をしのぶいろいろな行事を行うところもありますが、だいたい金曜日から日曜日の3日間が中心となります。
木曜日の夜には最後の晩餐にちなんだミサなどが行われ、金曜日はキリストが十字架にかけられた日ということで、「十字架の道行」が行われるところもあります。土曜日は静かにキリストの死を悼みますが、その夜の復活祭前夜に、キリストの復活を象徴する大ろうそくへの点火とともに、復活をたたえる喜びあふれる大ミサが行われ、クライマックスを迎えます。
復活祭の夜には、今でも古いヘブライの習慣にのっとり、子羊や子やぎのローストを家族で食べるところがあるようです。そして他に有名なのが、きれいに彩色された卵(イースターエッグ)です。これはキリスト教ではなく、別の宗教の春の豊穣を祈るお祭りに由来しているともいわれます。
どちらにしても春をむかえた生命の誕生を、キリスト復活のシンボルとしているわけですね。ゆで卵を染料につけたり、あるいは表面にカラフルな絵を描いたりして作りますが、それを庭や畑に埋めて、子供達に探させるような風習もあります。
ヨーロッパなどでは、その卵をチョコレートでかたどったお菓子も、よく売られています。さまざまな大きさのものがあり、中に別のお菓子が入っているものもあります。卵だけでなく、親である鶏や、あるいは巣をかたどった中に卵を入れるような、凝ったお菓子もあるそうです。
復活祭の象徴として卵とならんでポピュラーなのが、野うさぎ(イースターバニー)です。子供達に贈り物を持ってくるといわれるうさぎですが、おそらく春になると穴から跳び出てくるうさぎが、新しい生命の甦りを連想させたのでしょう。うさぎをかたどったかわいらしいお菓子も、卵のお菓子とともに楽しませてくれます。
復活祭とはもともとはキリストの復活をお祝いするものですが、それが厳しい冬のあとの春の再生を祝い豊作を祈る、農民達の春祭りと結びついていったのでしょう。
日本ではまだあまりなじみがないのですが、卵や鶏やうさぎの型のチョコレートやクッキーなどを作って、春をむかえるのも、よいのではないでしょうか。 |
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