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サンタクロースとは |
クリスマスには欠かせないサンタクロース。そのサンタクロースについてどれぐらいご存知でしょう。赤い服を着て、白いひげをはやし、トナカイのそりに乗ってプレゼントを配りに来る人。そんなところでしょうか。
サンタクロース(聖ニクラウス)は、実は実際にいた人です。4世紀に、今のトルコにあったリュキアという国のミュラという街(現在はテムレ)の大司教でした。
聖ニクラウスにはさまざまなエピソードがあります。三人の年頃の娘をもつ貧しい父親が、娘の婚礼資金に困り、いよいよ身を売るしかないかというときに、聖ニクラウスが三日続けて娘の部屋にひとつずつ金塊を投げ込んだのです。一説には煙突から投げ入れ、それがたまたま暖炉で乾かしていた靴下に入ったとか。
また大嵐の海を静めて船乗りを救ったり、飢饉の年に小麦を施して貧しい人を救ったというお話もあります。
このように人々から愛された聖ニクラウスは聖人としてあがめられるようになります。そしてカトリックでは12/6が聖ニクラウスの日とされ、プレゼントをもらう習慣ができました。今でもヨーロッパの一部では、聖ニクラウス信仰はとても盛んで、聖ニクラウス教会と名のつく教会が各地にあります。
それではなぜその聖ニクラウスとクリスマスが結びつくようになったのでしょうか。それは宗教改革で有名なルターによります。厳密な一神教であるプロテスタントでは、神以外を信仰することは許しません。そこでプレゼントは、聖ニクラウスという人からではなく、神からもらうものとしたのです。そしてそれをキリストの生誕の日であるクリスマスと結びつけました。
ルターの努力により贈り物はクリスマスにもらうものとなりましたが、サンタクロースからもらうという習慣は今でも生きつづけています。人々の信仰というのは、そう簡単に変えることはできないものですね。もっとも今の日本の多くの人にとっては、あまり関係ないことかもしれませんが。
ところで南のほうのトルコにいた聖ニクラウスが、なぜ北国に住むトナカイが引くそりに乗っているのでしょうか。それはいずれご紹介しましょう。 |
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